深淵探訪

これは友達の友達から聞いた話

都市伝説:未来の結婚相手

@sinentanpo

ショート動画で振り返る都市伝説「未来の結婚相手」 非常に歴史のある都市伝説の一つで、江戸時代にはやり方が少し異なるが、未来の夫が見えるという話しがあります。歴史があるゆえ、様々なバリエーションがあります。今回は近代手間っている話しを元に作成しました。 #都市伝説 #怖い話 #占い #都市伝説シリーズ

♬ Creepy simple horror ambient(1270589) – howlingindicator

今回の都市伝説は、古くから伝わるおまじない系の都市伝説で、深夜に水を張った洗面台にかみそりを加えてのぞき見ると未来の恋人がわかるという話


未来の結婚相手

ある女性が中学生の頃、友達に教わった占いを試してみた。

それは「真夜中の十二時にカミソリを咥えて、水を張った洗面器をのぞき込むと、未来の結婚相手の顔が映る」というものだった。

家族が寝静まったのを確認し、彼女は洗面台に水を張った。
そして、カミソリを咥えたまま、時間が来るのを待った。

――十二時になった。

洗面台をのぞき込むと、水面が静かに揺れ始める。

すると、見知らぬ青年の顔が水面に浮かび上がってきた。

驚いた彼女は、思わず咥えていたカミソリを落としてしまう。

カミソリは水の中に沈み、同時に青年の顔は消え、
水面が赤く染まっていった。

彼女は思わず顔を両手で覆い、しゃがみこんだ。

耳が痛くなるほどの静寂。

彼女は恐る恐る立ち上がり、もう一度洗面台をのぞき込んだ。

しかし、水はすでに澄んでおり、カミソリは底に沈んでいるだけだった。

時が経ち、あの夜のことはすっかり忘れ、彼女は大人になった。

そして、ある日、一人の男性と出会った。

彼女はすぐに彼のことが好きになった。

どこかで既に出会っていたような、不思議な運命を感じたのだ。

彼も彼女の好意を受け止め、二人は恋人として付き合い始めた。

彼と会える時間はいつも短かったが、彼女は幸せだった。

ただ一つ、気になることがあった。

彼はいつもマスクをしていた。
夏の暑い日でさえ、決して外すことはなかった。

当時は流行病の影響もあり、マスクをしているのだろうと深くは考えなかった。
出会ってからというもの、会うのはいつも屋外だけ。
彼は決して食事を共にしようとしなかった。

ある日、彼女は意を決して尋ねた。

「どうして、いつもマスクをしているの?」

すると彼は眉をひそめ、低い声で問い返してきた。

「本当に覚えていないんだな……」

彼女は困惑した。

「どういうこと?」

彼はゆっくりとマスクを外した。

その下には、大きな傷跡があった。

「ごめん……そんな、知らなくて……」

「知らないってなんだよ」

彼女は言葉に詰まった。
彼が何を言っているのか、理解できなかった。

彼は険しい表情で叫んだ。

「お前に、昔やられたんだよ」


話自体は、数十年前の怪談系の本に載っていて、その当時はマスクずっと付けていたら怪しいじゃん、と思っていましたが、昨今のコロナの件もあり、マスクをしつづけていても可笑しくない世の中になっているのは、なんとも不思議な感じがします。

水や水晶などを使って占いを行うスクライングは古くから行われていることで、江戸時代には原形ができていたと言う話もあります。

こっくりさんもそうですが、占い系は過熱しすぎるためか、のめり込まないように抑止的な話が多いように感じますね。


おすすめの書籍

都市伝説を含め、日本の怪異を辞典にした本です。辞典ですが、何となく読み進めるだけでも面白い。

量が多いですが、亜種も一つとしてカウントしているので同様の怪異または都市伝説も多く、一つ一つの内容が少ないこともありますが、圧倒的な熱量で集めた怪異の数々はホラー好きならば持っておいて損はない一冊だと思います。

Amazonで購入する

次へ 投稿

前へ 投稿

© 2025 深淵探訪

テーマの著者 Anders Norén