2000年初頭に広まったネットロアの一つ。大体の話しが「くねくね」を見るとおかしくなると言うのは共通しているが、夏の田んぼだったり、海辺の話しだったりと様々な場所でくねくねの話しがあり、出回っている。

くねくね
ある親子の話
田舎の家に遊びに来ていた親子が、あぜ道を散歩していた。

すると、少年が田んぼの中に何かを見つけた。
「ねぇ、お父さん、あれなに?」

少年には、田んぼの中で何かが靄のようにゆらめいているように見えた。
父親は、少年が指さす方をじっと目を凝らして見つめた。
「かかしか何かじゃないのか」

そう呟いた父親だったが、見る見るうちに様子がおかしくなっていった。
「あぁ……お前、逃げろ……」

父親はその場で白目をむいて動かなくなった。
少年は
「ねぇ、お父さん、どうしたの?」
と声をかけたが、反応はなかった。
すると突然、父親は奇声をあげながら走り出した。
その後、祖父が様子のおかしい父親を見つけて、なんとか確保し、家の納屋に閉じ込めた。

祖父は少年に、何があったのかを尋ねた。
少年は、田んぼの中に何かがいて、それを見たらおかしくなったと伝えた。
祖父は合点がいったのか、目を閉じて静かに頷いた。

「それは“くねくね”だ。最初ははっきりとは見えないが、じっと見つめすぎると気が触れてしまうんだ」
父親は、見てしまった。
そして、それがはっきりと見えてしまい呪われてしまったのだ

2000年ごろに怪談の投稿サイトにて確認されたのが初めてと言われているが、当初は「分からないほうがいい」と言う怪談の名前で広がっていった。
夏の日の、特に田舎の畑で目撃されると言われている。その為、熱中症による身体の不調という説もあるが、海辺での目撃談もある為、熱中症の説は否定される。
話しとして共通しているのは、白い身体で、くねくねと身体を揺らし、見続けてしまうと気が狂うまたは、魂を抜き取られると言われている。
遠くからみる分には問題ないとも言われているが、視力が良いとそれが何か分かってしまう為、気が狂ってしまう。

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都市伝説を含め、日本の怪異を辞典にした本です。辞典ですが、何となく読み進めるだけでも面白い。
量が多いですが、亜種も一つとしてカウントしているので同様の怪異または都市伝説も多く、一つ一つの内容が少ないこともありますが、圧倒的な熱量で集めた怪異の数々はホラー好きならば持っておいて損はない一冊だと思います。
