深淵探訪

これは友達の友達から聞いた話

都市伝説:裏拍手

@sinentanpo

ショート動画で振り返る都市伝説 この話しは「意味が分かると怖い話し系」だったと思いますが、あるとき女子高生がショート動画で話しているのを見て非常に上手に語っていて感銘を受けたのを覚えています。都市伝説と怖い話や妖怪の違いはなんだというと中々難しいところですが、この話しも良くできた怖い話だから、調べると様々なバリエーションが出来ていて、都市伝説として根付いていると言っていいのではないでしょうか。 なお、出オチしないよう、タイトルは最後に出すようにしました。 #都市伝説 #都市伝説シリーズ #2ch怖い話 #洒落怖 #おすすめにのりたい #怖い話

♬ Horror train, horror piano, BGM(1230538) – syummacha

やってはいけない行為として有名な都市伝説


裏拍手

あるカップルの話


週末にデートをする予定だったが、
彼女が体調を崩したため、中止となった。

「返信来ないけど、大丈夫かな」

一人暮らしの彼女から連絡があったのは一昨日の夜。


それから一切、連絡が途絶えていた。

寝込んでいるのだろうと、飲み物や食べ物を持っていくついでに
様子を窺おうと彼女の家に向かった。

チャイムを鳴らすと、なんと今から出かけるような服装の彼女が出てきたのだ。

「ちょうど向かおうと思ったんだよ、元気になったから」

そう言う彼女を、彼は仮病を疑ったが、いつもの彼女よりも生気がない気もした。

「いや、休んでなよ。ぶり返すよ」と彼は言ったが、彼女は首を横に振る。

「ねぇ、車で来てくれたんでしょ?ならドライブしよ」

もう既に日は暮れており、どこかに出かけるには遅すぎた。


まぁ、ドライブなら何かあっても対応できるだろうと、彼は渋々了承した。

適当に車を走らせながら、どこに行こうか尋ねる。

「あ、じゃあ前に言っていた心霊スポット、あの廃墟の」

「マジか、好きだねぇ」

街の外れにある廃墟が有名な心霊スポットとなっていた。


もちろん中には入らず、車でそばをゆっくりと通り過ぎていく。

「自販機でコーヒー買うわ、何かいる?」

「私は大丈夫」

彼は車から降り、廃墟から少し進んだ所にぽつんと置かれた自販機でコーヒーを買った。


そして車に戻る途中、廃墟近くに誰かが佇んでいるのが見えた。

老婆だった。

「なんでこんなところに」


彼はハッと息をのみ、急いで車に戻った。

そしてエンジンをかけてその場を離れた。

「どうしたの、急に?」

「あそこに婆さんいたの見たか?」

「うん、見た。手を振ってくれてたよ。どうしてあそこにいたんだろう」

彼は高まる鼓動を抑えるように、深呼吸をした。

「……あいつ、手の甲を見せて手を振ってただろ」

「あぁ、確かに」

「いいか、逆さまな行動をしているのはこの世の者じゃないんだ」

車内に女性の笑い声と不気味な拍手の音が響く。

「すごいね、よくわかったね」

「お前・・・」


裏拍手の行為自体は、死者の手招きとも言われ、死後の世界に導くと言われている。

しかし、偶然そうなってしまう、悪意のない裏拍手は無効と言われているようです。

そもそも、この話しの起源はどこなのか探るとよく分からないのですが、流行ったのはクレージジャーニーなどにも出演がある 田中俊行 氏 が 「あべこべ」と言う怪談でグランプリをとったあたりのようです。氏が言うには、2011年ごろにベトナム料理店の友人から取材して、この話しを発表したと。

調べてみると、2011年ごろにYahoo!の知恵袋に裏拍手の解答が既にあるのですが、行為自体は怪談や都市伝説と同じものであることが確認できます。ちなみに、Mステの話しは都市伝説として有名ですね。

2008年にも、うたばんと言う番組の収録で、裏拍手があったという書き込みもあります。

ただ、裏拍手(逆拍手)自体起源などを調べても出てこない。それっぽい説明をしている動画などやサイトはあれども、対抗神話に近しい根拠のない打ち消しだったりします。

新道の(あま)の逆手、だとする話しもあるそうですが、こちらは確かに人を呪う為の行為だそうですが、やり方は分からないそうなので、逆拍手とは言い切れない。

様々な裏拍手の話し、起源が曖昧、まさに都市伝説と言えるのではないでしょうか。


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都市伝説を含め、日本の怪異を辞典にした本です。辞典ですが、何となく読み進めるだけでも面白い。

量が多いですが、亜種も一つとしてカウントしているので同様の怪異または都市伝説も多く、一つ一つの内容が少ないこともありますが、圧倒的な熱量で集めた怪異の数々はホラー好きならば持っておいて損はない一冊だと思います。

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